日本語の日常会話でよく使われる「すみません」と「ごめんなさい」という表現がありますが、これらには微妙なニュアンスの違いがあるのを知っていますか?どちらも謝罪するときに使う言葉ですが、これら2つの言葉の違いを理解して正しく使い分けると、日本語スピーカーとの人間関係を築くのにとても役立ちます。
この記事では、両者の違いを説明して、具体的な使い方について解説します。

「すみません」と「ごめんなさい」の違いは?

「すみません」も「ごめんなさい」もどちらも誰かに謝るときに使う言葉ですが、両者の違いは英語のExcuseとSorryの違いとほぼ同じです。「すみません=Excuse」で「ごめんなさい=Sorry」になります。

Excuse両者には使うのに適しているシーンが異なりますので、その違いを知っておきましょう。

「すみません」を使うシーン

「すみません」は相手に何かを許してもらうときに使いますが、あまり親しい間柄でない人に使うことが多いです。たとえば、下記のような場合に使います。

  • 道で知らない人にぶつかったとき
    「すみません」
  • 混雑したバスや電車で、降りるときに道をあけてもらうとき
    「すみません。通してください。」
  • 言われたことが理解できなかったので、もう1回言ってもらうとき
    「すみません。もう1回言ってください」
  • 学校や仕事に少し遅れそうなときに(電話で)
    「すみません。電車が遅れているので少し遅れます」
  • 何かを頼まれて断るときに
    「すみません。(私には)できません」
  • 感情的な言葉を使った相手に
    「感情的になってしまってすみません」

ビジネスで「すみません」を使うのは注意が必要

「すみません」はビジネスでもよく使いますが、基本的に軽い謝罪のときに使うので、重大なミスをした場合など、相手に心から謝りたい場合は使わない方がいいです。重大なミスをした場合に「すみません」を使ってしまうと、相手を余計に怒らせてしまう場合があります。

ビジネスで心から謝罪する場合は、「すみません」ではなく「申し訳ありません」や「お詫び申し上げます」を使います。

「すいません」vs「すみません」

「すません」と同じ意味で「すません」という言葉があります。「すいません」は「すみません」のくだけた表現で、どちらもよく使う日本語ですが、「すみません」を使うようにしましょう。

なぜ「すみません」は「ありがとう」の意味でも使うのか?

日本語を勉強している方は「すみません」に色んな意味があるのを知っていると思います。たとえば「すみません」には「ありがとう」と同じく感謝の意味もあります。誰かに何かをしてもらったら「すみません」と言ったりします。

これは「すみません」の語源「気が済まない」に由来します。「気が済まない」とは、何かをしてもらったとき「相手に感謝するとともに、相手に負担をかけてしまって申し訳ない」という気持ちを表しています。「Thankfulness」の意味の日本語は「感謝」と漢字で書きますが、「感謝」の「謝」は「謝る」という意味です。日本語って難しいですね。

「ごめんなさい」を使うシーン

「ごめんなさい」は「すみません」とは違い、友達や家族など、主に親しい間柄の相手に謝るときに使います。たとえば下記のような場合です。

  • 人のものを壊してしまったとき
    「ごめんなさい。壊してしまいました」
  • 学校や約束の時間に遅れたとき
    「遅れてごめんなさい」
  • 相手とけんかしたあと
    「ごめんなさい。(私が)悪かったです」

「ごめん」という表現もあります。「ごめんなさい」は「ごめん」の丁寧な表現で、本当に親しい間柄で軽いお詫びをするときに使います。あとは「ごめん、あと1万円貸して」のように、許してもらえなさそうだけど一応お願いするときに使ったりします。

「ごめんなさい」はビジネスでは使ってはいけない

「すみません」は軽い謝罪のときにビジネスでも使いますが、「ごめんなさい」は基本的にビジネスでは使いません。「ごめんなさい」は本来「許せ」という命令を丁寧に言った言葉なので、親しい間柄でないと相手に失礼になります。

ビジネスで謝罪する際は、上記に出した「申し訳ありません」や「お詫び申し上げます」を使いましょう。

まとめ

「すみません」と「ごめんなさい」の違いと使い方わかりましたか?

「すみません」も「ごめんなさい」も日常的によく使う日本語ですが、その微妙なニュアンスの違いは難しいかも知れません。分かりにくい場合は、親しくない人には「すみません」、親しい人には「ごめんなさい」、ビジネスでは「申し訳ありません」を使っておけばだいたい問題ありません。

「すみません」と「ごめんなさい」を正しく使い分ければ、日本語マスターに近づきますよ。